PTAに参加する可能性がある人は、「PTAなんてなくなってしまえ!」と思ったことがあるのではないでしょうか。
私もPTA役員をする前は、古臭いし「いらない」と思っていて、なくなってほしいと切実に願っていました。
しかし、やむを得ずPTA役員を引き受けてみると、PTAがなくならない理由があることに気づきました。
今回は、PTAの実態と、なぜPTAがなくならないのかを考察してみました。
その理由はかなり「黒い」ものかもしれません。なぜなくならないのか、その理由を知りたい方は必見です。
PTAはいらない!でもなくならない理由
皆さんのPTAの任期は1年でしょうか、それとも2年?
役員になってしまうと、生活全体に影響を及ぼし、リズムが崩れてしまうこともあるでしょう。
時には嫌な経験をされた方も多いと思います。
昔ながらのPTAなんてなくなればいい!と思うのは、役員になった人も、これからなる人も、心の中でみんなが思っていることです。
それなのにPTAがなくならないのには、納得の理由があるのです。
それは、PTAをやり遂げた人にしかわからない”闇”の部分です。
みんながはっきりと口に出して言わないので、本当のところはわからないかもしれませんが、あえて私が言うならば、これこそがPTAがなくならない理由なのではないかと思います。
PTAはなぜなくならないのか?
理由はただ一つ、「自分の力を未来の誰かのために使いたくない」という気持ちです。
任期中に「PTAをなくす努力」をしても、現役の役員には何のメリットもありません。
この心の奥底にある気持ちこそが、PTAが続いている理由の一つです。
そのため、PTAを経験していない人にも、無理にでもPTAに関わってもらおうとする雰囲気が生まれます。
嫌々やるからこそ、無理してやるからこそ、他の方が免除されることを許せないという感情の保護者も出てきます。
PTAを経験した人も、この気持ちを親しい人にしか話さないかもしれません。
その隠された気持ちを、もう少し詳しく分類してみました。
PTAをなくせるのは誰か?
PTAをなくす権利や力を持っているのは、現役のPTA役員だけです。
「PTAをなくしましょう」と会議で提案するのが最初のステップです。
しかし、PTAがなくなった後に喜ぶのは誰でしょうか?
それは、まだPTAを経験していない保護者たちでしょう。
自分は苦労してPTAの仕事をこなしているのに、まだ何も知らない人たちがその苦労をしなくて済むなんて、そんな理不尽なことはありませんよね。
だからこそ、自分の時間や労力を他人のために使うのが嫌で、何もしないのです。
自分の任期さえ何事もなく過ぎればそれで満足。
そんな風に思っている人が多いのが現実です。
ボランティア精神で溢れている人は、そうそういません。
これこそが、PTAがなくならない理由の根本的な部分だと感じました。
新しいことをしない理由
表向きは笑顔で頑張っていても、役員たちの本音は、無事に任期が終わることを願っているのです。
仕方なく役員になった人たちは皆、「余計なことはしたくない」と思っています。
新しいことを始めるのは大変だからです。
ゼロから何かを生み出すのは大変で、負担も増えます。
例えば、明らかに子供にとって良い案であったり、負担が軽減される場合でも、頑なに拒むことがあります(実際にそんな経験がありました)。
こういった人がいると、少しでも良くしようと思っていた自分が馬鹿らしくなり、意見を言うのが嫌になります。
こういう場合、頑固で我が強い人が多く、しかも見た目は好印象なことが多いのです。
そのため、PTAをなくしたいと思っていても、現役のPTA役員は行動しないのです。
自分に利益がないからです。
そして意外な敵が旧PTA役員だったりすることも。
行事を減らそうとすると「そんなのは駄目!!」と頑なに反対意見を言ってくる人もいました。
PTAをなくすために役員がやるべきこと
PTAをなくしたい場合、どうすればよいかを経験をもとに考察してみました。
多大な労力がかかることは上の話から予想できるでしょう。
しかし、具体的に何をすれば「なくす可能性」があるのかは、任期を経験した人でないとわかりません。
そこで、想像して書いてみました。
署名活動
PTAを廃止したい人が中心となって、署名を集める必要があります。
広い地域の中から、PTAに関わる家庭を見つけ出し、1軒1軒訪ねて説明しながら署名をもらいます。
多くの人が応援してくれるかもしれませんが、実際に手伝ってくれる人は少ないでしょう。
家事や仕事をこなしながら、夜や休日に少しずつ訪問することになり、時間も労力もかかります。
会議
現役員だけでなく、小学校の保護者全員の意見を聞く必要があります。
会議の場所や時間を準備するだけでも大変ですし、会議の回数も増えるでしょう。
役員だけの会議、保護者も含めた会議、校長や教頭との会議など、何度も開催しなければならないので、考えるだけで気が遠くなります。
交渉
小学校のPTAは県PTA理事会の傘下にあります。
PTAを廃止するには、署名を集めて上層部の許可を得る必要があります。
しかし、誰がこの交渉を担当するのでしょうか?
そんな熱意のある人がいるのでしょうか?
役員の中でも意見が一致しないと、議題にすら上がりません。
結局、誰もが大きな労力を避けたいと思っているのです。
廃止後の対応
PTAなんていらない!と私も思っていました。
しかし、嫌々ながらも役員を経験して、小学校と深く関わっていることが理解できました。
運動会の準備や草抜き、登下校の安全確保など、様々な活動を通じて、先生の負担を軽減し、子供たちが快適に学校生活を送るためにPTAが必要だと感じました。
それがなくなった後はどうするのでしょうか?
外部に委託するのか、PTAを廃止した学校に連絡して対策を聞いてみるのが一番良いでしょう。
【まとめ】やっぱり!PTAがなくならない理由
これらを考えるだけで、どれだけ時間がかかるかがわかります。
さらに、新しい取り組みを始めるには、膨大な労力が必要です。
だから毎年、前年度のマニュアルをなぞるだけになってしまうのです。
日々のイベントや行事に追われる中で「その他の仕事」を増やしたくないのも当然です。
また、仕事があるのにPTAの活動をこなすのは無理だと怒っていた友人もいました(皆同じ状況なのに)。
仏様のような人ばかりではないので、人間誰しも「楽している人」のために自分が苦労するのは嫌なものです。
特に、仕方なく役員になった人ならなおさらです。
ここでいう「楽している人」とは「まだPTA役員をやったことがない人」を指します。
私も以前は後者(楽している人)でしたが、今は前者(楽している人のために苦労したくない人)になりました。
少し辛辣な内容になってしまいましたが、PTAをやったことがある人なら「PTAがなくならない理由」がわかったのではないでしょうか。
やったことがない人は、余計に「PTAなくなれ!」と思うかもしれませんね。
しかし、これからも自分の犠牲を厭わない「仏様のような人」がいない限り、PTAはなくならないのです。
そんな人はほとんどいないでしょう。悲しいですが、これが現実です。
そして、この状況はずっと続いていくのです。